劈開

劈開(へきかい)とは、結晶がある特定の結晶面で割れやすい性質をいい、劈開によってできる結晶面を劈開面、劈開面で結晶を割ることを劈開するといいます。

雲母や方解石、ダイヤモンドなど、強誘電体では硫酸グリシンや亜硝酸ナトリウムなどで劈開が見られます。劈開が1方向だけにある場合には板状に、2方向であれば柱状に、3方向であれば6面体や柱状に、4方向であれば8面体状に劈開します。

動画は硫酸グリシン(TGS) を劈開するときの様子です。剃刀を劈開面と平行になるように慎重に合わせてから、ハンマーで躊躇せずに剃刀をたたきます。上手に劈開できると鏡のようなピカピカの劈開面が得られます。

 

写真は、1個の硫酸グリシン(TGS) 単結晶を劈開して多くの板状の試料を作り、それぞれの板の片面だけに帯電した黒い粉末を付けたところです。TGS は強誘電体なので表面に電荷が生じています。粉末の電荷の極性と表面電荷の極性が異なると粉末が試料表面に付着し、極性が同じであれば反発して付着しませんので、試料表面の電荷の極性の分布が分かります。(デコレーション法)

DSCN0297

DSCN0296

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です